五月十九日 ゼミ授業後…
私「ねぇ、今なにかと取り上げられている夫婦別姓について、
女性の立場から三人の意見を聞かせて欲しいんだけど」
A「そうねぇ、私は反対だな、夫婦別姓。私はやっぱり普通に
旦那様になる人の名前に変わりたいと思うんだけど」
B「普通はそうなんだろうけど、私は結婚しても、
絶対名前変えたくないんだけど」
C「私も苗字は変えないつもりだな。夫婦別姓でいくよ!」
A「でも、夫婦別姓って何?具体的に説明してよ」
B「そうそう、いまいちピンとこないのよね」
私「そうだね。きちんと説明すると、夫婦同姓っていうのは、
男女が結婚したとき夫婦が同じ苗字になることだよ。
もうこれは法律で決まってんだ。
つまり、結婚するなら二人はどちらかの苗字を選ばなくちゃいけないの。
基本的には男性の方の名前になることが多いよね。
で、それを夫婦別々の苗字にするというのが夫婦別姓ということ」
ABC「なるほどね」
A「でもなんで?結婚するなら変えるでしょ、普通!
好きな人の名前に変われるんだから、うれしくないの?」
B「いやさぁ、そういう問題じゃないんだって。
だって、今までずっとこの名前で生きてきたわけだし、
名前が変わってしまうと、自分じゃないみたいな気がするんだもん」
私「そういわれちゃうと、
男の僕としては何にもいえなくなっちゃうんだけど(苦笑)…
それじゃあ、Cさんは何で夫婦別姓にしようと思っているの?」
C「う〜ん、理由は一つじゃないんだけど、
いろいろ手続きとか面倒だもん。
私、結婚しても働きつづけようって考えているから
名前変えるといちいち職場や取引先とかにも知らせなきゃいけないし。
何より、変わる前と後の名前の自分をみんなに
一致してもらえなきゃいけないんだよ!
やっぱりデメリットの方が大きいよ」
A「え、一応私も結婚しても働いていたいと思っているんだけど、
そんなに名前変えると面倒くさいことが多いの?」
C「そりゃ多いよ。考えてみてよ。車の免許証だって、
銀行とか郵便局の口座なんかも更新しなきゃいけないなんだよ。
それに、パスポートに、ケータイにガス、電気、水道………」
B「うわぁ、ほんと?!それじゃ嫌になるね」
私「それじゃあさ、もし男の方が女の方の姓でいこうっていってきたら、どう?」
A「絶対嫌っ!」
B「(笑)。なんかそれは情けないかな。男が」
C「そぉ?
私だったら別にいいけど、
本人が手続きとか面倒なのを承知でそうするっていってんなら」
私「(苦笑)。みんないろいろだね」
B「あんたはどうなの?男として」
私「いやぁ、やっぱりちょっと抵抗あるかもね。
世間体とかあるし」
A「なんか嫌だな。
あんた情けない」
私「(苦笑)。
Aさんに訊きたいんだけど、
夫婦同姓にすることでいいことって何があると思う?」
A「まず、私結婚したよって気がする!(笑)
それに……なんだろ…わかんないかも(笑)
Cちゃん、なんかある?」
C「あのねぇ、私夫婦別姓がいいっていってんだよ(笑)」
A「あっ、家族、家庭内の一体感がうまれるとか!」
C「わかったわかった(笑)。他にもいろいろあるでしょ。
いろんな手当て付くだろうし」
A「どっちにしろ、法律で認められていないんなら
夫婦別姓なんてできないじゃん!」
私「そんなヤケクソになんないでよ(笑)。
いや、でも厳密には違うのかもしれないけど、
結婚しても夫婦別姓はできるんだよ」
A「え、どんな方法があるの?」
C「事実婚だと問題ないよね」
私「そうそう。事実婚は婚姻届を出さずに
お互いの結婚生活のみで結婚と認識するものだから
法の外だもんな」
B「でも、それって結婚っていえるのかな?
なんか障害も多そう…」
私「うん。まあ、それはそうなんだ。
結婚といえるかいえないかは本人たちの問題だけど、
事実婚で生まれた子どもは非嫡出子扱いになってしまうし、
仮に二人が離婚することになった時に必要になる事実婚の証明も
簡単じゃないんだろうし」
A「そりゃ、ちょっとめんどいな。
他に方法はないの?」
私「あとは、通称使用って手もあるよ」
A「何?通称使用って?」
私「そうくると思った(笑)。
通称使用ってのは、婚姻届を出して名前を変えた方の配偶者が
仕事とかで元の名前をそのまま使い続けることなんだ」
B「それなら簡単じゃん。
みんなそうすればいいじゃん」
C「そんなこともないんじゃない。
運転免許とかパスポートでは絶対通称使用はできないし、
どこの職場でも許可してくれるとは限らないよ」
私「さすが!まあ、事実婚も通称使用も一長一短ということだね」
C「(苦笑)。とにかく、今は一日も早い法の改正が必要なんだよ」
B「でも、具体的にどういうふうに改正されたらいいんだろう?」
私「おっと、話がずいぶん建設的な方向に向かっている感じだな。
そこんとこ、みんなで考えていってみよう!」
ABC「一体誰だよ、あなた(笑)」
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